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  未曾有の被害を及ぼした東日本大震災。福島第一原子力発電所の事故以降、
放射能の影響が心配されています。人体への影響は? 自然環境への被害は? 
放射線についても専門的に研究されている楊先生の緊急レポートをお届けします。
  宇宙や地球上、体内にも自然に存在する放射線
福島第一原発の事故以来、私たちは放射線の脅威におびえています。しかし、放射線や放射性物質は原子力で作り出したものだけではありません。 宇宙のかなたからも降り注ぎ、地殻を構成している岩石や土砂にもウランやラジウムなどの放射性物質が含まれています。
空気中にはラドンなどが気体状で存在し、これらは常に放射線を放出しています。  

食べ物にも微量ですが、もともと含まれていますし、山の高所や飛行中の飛行機の中、病院での検査で行われるレントゲンのX線や、CTスキャンも放射線です。さらには、ガンの治療にも放射線は使われて効果を上げています。 国によっても自然放射線の量は異なります。日本と比べて、ブラジルやロシアは500倍から1,000倍と言われていますが、これらの国に甲状腺ガンが増えたとか、ほかのガンが多いという報告はありません。


カルシウムとストロンチウム、 カリウムとセシウムについて
この原発事故の放射線は私たちにとって、避けられないものです。レントゲンやCTスキャンが嫌なら拒否できますが、今回はそうはいきません。だからいっそう怖いのです。

放射性物質セシウム137にはカリウムが、ストロンチウム90にはカルシウムがよいのでは、という報道がされました。その理由は、元素の周期表(次ページ)を見るとセシウムとカリウムが、ストロンチウムとカルシウムが物理学的に同族だからです。
ホウレンソウやパセリが放射線量の基準値を超えたとされて、出荷停止になりました。
 
 
 

 ほかの野菜はどうして大丈夫だったか不思議ではありませんでしたか? 
植物は栄養を土壌から根で取ります。ホウレンソウやパセリはカリウムを多く含む野菜です。
同じような性質を持っているセシウムが土壌に含まれると、ホウレンソウやパセリはカリウムと勘違いして吸収してしまい、それでセシウムの値が上がったのです。
確かに、カリウムを多く含む野菜がセシウムを取り込みやすいことは理論的にも言えるでしょう。
ただこれは植物に当てはまることであって、私たち人間にもそうであるかははっきりとはわかっていません。
ただ、私たち哺乳動物にはある栄養素を100%以上摂ったとき、余分は排泄するという体の仕組みが備わっています。
そう考えるとカリウムやカルシウムを十分摂れば、セシウムやストロンチウムは入ってこないという理論は成り立ちます。


ヨウ素は人体に欠かせない栄養素のひとつ
 ヨウ素は昆布やわかめなどの海藻類に多く含まれます。甲状腺に入って、甲状腺ホルモンを作るための材料となっています。
ヨウ素も食事から十分に摂取していれば、放射性物質に汚染されたヨウ素が入ってきても体外に出されます。
  もし甲状腺の病気を持っていても、病院の薬をちゃんと飲んでいれば、体内のヨウ素の量は安定し管理されていますので、放射線のヨウ素に対して普通の人よりも安心です。
  オーストラリアやニュージーランドへは、入国の際昆布などの海草類が持ち込めません。それは彼らがもともと民族的にヨウ素を取り込みやすい体質なため、必要以上に摂らない措置なのです。


人工的に作られた放射線から身を守るには
 福島に限らず、原発ではウランやプルトニウムが核分裂反応をする際に発生するエネルギーで発電していて、そこから放射線を放出します。それも半永久的に出し続け、人間にはコントロールができません。
  そのごみ処理が大変で、今フィンランドに10万年後には自然に返るという計算で、使用済み核燃料の処理施設が建設されています。映画にもなって話題を呼んでいますが、無くなるのに10万年もかかるものが地球上にどれだけあるか知れないのです。
  放射線が人体に入ってくると、細胞や遺伝子が傷つけられます。酸化が早くなって、例えば肝臓なら酵素が作れなくなったり、解毒のフィルターが弱くなったり、臓器としての機能が低下します。さらには、悪性腫瘍やガンになる可能性が高くなります。
  放射線が心配なこういう時期には、酸化防止の食品、補酵素のQ10やビタミンC、β‐カロテンやビタミンB群、カルシウムなどをなるべく多めに摂るのがいいでしょう。もし細胞が被爆しても、それに耐えられる強さに鍛えておくことが、いま一番必要なことではないでしょうか。